当日はやや曇り空、少し肌寒い朝でしたが自然観察には格好の日和。三溪園正門前に朝9:50に集合した参加者のみなさん(15名)とともに早速、園内へ移動。まずは本イベントの開催にあたりご協力いただいた三溪園保勝会の羽田さんよりご挨拶をいただきました。園内では矢ヶ崎研究員が講師を務め、植生図やオリジナル教材を手にしながら、園内の生き物を観察していきました。 |
 今回のフィールド、三溪園 |
 三溪園の現存植生図 |
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 三溪園の潜在自然植生図 |
 探してみよう身近な生き物(オリジナル教材) |
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園内で真っ先に目に留まったのが、大池の水面を泳ぎまわるカモの仲間たち。当日は、カルガモ、オナガガモ、マガモ、キンクロハジロの4種類を確認しました。早速、講師のレクチャーを受けながらカモ類の見分け方や生態などを学んでいきました。やはり、動くもの(動物)は見ているだけでも飽きません。大池の野鳥観察だけで予定以上の時間が経過。次の場所へ足早に移動しました。 |
 カルガモ |
 オナガガモ |
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 マガモ |
 キンクロハジロ |
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大池を離れ、次は園内の草花や樹木に注目。目に付いた植物から、それらの名前、見分け方、生態、暮らしにおける使い道など、次から次へとレクチャーが続きました。例えば、みなさんがよくご存じのコナラやクヌギは薪炭の材料になるお馴染みの木ですが、意外と知られていないのがその薪炭以外の使い道。実はコナラやクヌギの樹皮は生薬の原材料として知られ、その生薬和名を「ボクソク」といいます。当日は矢ケ崎講師がそのボクソクの入った漢方薬(十味敗毒湯)を持参し、その成分表示を見て皆も納得。また、ふと足元に目をやると、そこにはオオバコ、ドクダミ、ヤマノイモなど、生薬の原材料となる植物が生えていました。このようにして探検会では「芋づる式の学習」を次々と展開。動物の話題に負けず劣らず、植物の話題も尽きることはありませんでした。 |
 コナラ |
 クヌギの樹皮 |
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探検会一同は園内をひと通り散策した後、再び大池へ。参加者みなさんの熱心さもあって、急きょ、当初の予定時間より30分近く延長し、午後1時ごろに無事解散。あっと言う間の3時間でした。見落としてしまった生き物もたくさんいましたが、それは次回のお楽しみ。 |
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参加者みなさんとの別れ際、次回開催へのリクエストを多数お寄せいただきました。IGES国際生態学センターでは、身近な自然への理解を深めるきっかけづくりとして「環境学習(エコロジー教室)」をさらに充実化させ、継続実施していく予定です。今後の企画にもどうぞご期待ください。 |
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おわりに、本イベントの開催にあたりご協力いただきました公益財団法人三溪園保勝会のみなさまへ心から御礼申し上げます。
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